ワーキングホリデー及び学生査証(ビザ)で渡航される皆様へ

令和6年11月12日

ワーキングホリデー及び学生の方々から以下のようなトラブル報告が寄せられています。

1 (1)アパート契約をめぐる振り込め詐欺行為
 豪州(メルボルン等)へ渡航する前、到着後の住居をインターネットで検索し、実際の物件を見ることなく申し込みを行って前家賃やボンド(敷金、保証金にあたるもの)を払い、いざ入居しようとすると鍵が受け取れない、物件には既に別の人が住んでいる等の事態にいたる方が多くいらっしゃいます。
 立地条件が良いにもかかわらず相場より家賃が安い、オーナーが海外に在住している、鍵は郵便で送付する、早く振り込まなければ他の人に貸すと送金を急かす、日系情報サイトやGumtreeなどで広告掲載しその後オーナーとのやり取りは主にメールのみ等の特徴があります。不動産会社を介すことなく、物件の下見よりも先に現金を振り込むように言われたら、詐欺の可能性を疑って下さい。
  
被害報告は、以下の捜査機関へ届出てください。

オーストラリアン サイバー セキュリティセンター https://www.cyber.gov.au/report
ビクトリア州警察 ポリスアシスタンスライン(131 444)または、リポートオンラインhttps://www.police.vic.gov.au/palolr

その上でビクトリア州ではConsumer Affairs Victoria にご相談ください。
https://www.consumer.vic.gov.au/

(2)シェアハウスボンド金返金トラブル
 正式な契約書等を作成せずに入居し、インターネットの掲示板等で見た内容または条件とは違う、あるいは、退去時にボンドが返還されない等のトラブルが多く発生しています。
 住居の選定時には十分確認を行った上で、正式な契約書を取り交わし、入居後は支払った家賃の領収書を保管して下さい。オーナーが直接管理をするという物件は後日トラブルが発生しがちです。大手の不動産会社を使用されることをお勧めします。ボンド金はオーナーの口座ではなく、専門機関の口座に供託されるものですので、支払い後はしっかりと領収書をもらってください。
 またシェアハウスの形態は、それぞれ異なります。形態によっては当地法令(Residential Tenancies Act 1997)で認められてない、またはシェアハウス事体(部分貸し)が無効である、こともあります。)
 なお、この様なトラブルに遭った場合は、ビクトリア州では以下の機関が対応しますので、まず電話やホームページで確認し、相談、手続きをして下さい。

ディスピュート セトルメントセンター(仲裁につき、当事者双方の合意が必要) https://www.disputes.vic.gov.au/ 
テナンツ ビクトリア https://www.tuv.org.au/
コミュニティ リーガルセンター(近くの無料法律相談所を検索) http://www.naclc.org.au/
ビクトリア民事調停所(Victoria Civil Administrative Tribunal) https://www.vcat.vic.gov.au/

(3)査証申請代行業者トラブル
 ワーキングホリデー査証を申請する過程の中で、申請代行業者による書類の不適正処理が行われ、本邦出発前やオーストラリア滞在中に査証(ビザ)を取り消されるといった事案の相談を受けています。こういったトラブルに遭わないよう、以下の点について、ご注意ください。
  • 必要な申請書類を必ず自身で確認する。申請代行業者を通じて査証申請する場合でも、申請書類は代行業者に任せきりにせず、必ずご自身で確認の上、提出する。
  • 申請代行業者を通じて申請する場合でも、その代行業者が豪州政府機関への移民申請代理人登録された業者かどうか、在日オーストラリア公館や、一般社団法人日本ワーキングホリデー協会等に確認する。
2 労働搾取と危険を伴う労働環境
(1) 労働搾取
 パートタイム労働に対する最低賃金より少ない賃金で働いているワーキングホリデーメーカーの方が多く見られます。当地の法律で定められている最低賃金が支払われるかを確かめた上で、合法な契約書を取り交わしてから就業を始めるようにしてください。労働者の権利についてはFair Work Ombudsmanのホームページで確認してください(日本語HP)。

Fair Work Ombudsman https://www.fairwork.gov.au/language-help/japanese

新たな仕事に就く方は、以下を行うようお願いします。
  • 自分の雇用形態を確認する。
  • 自分の最低賃金を確認する。
  • 自分の勤務時間や給与などの記録をつける。
Fair Work Ombudsmanでは、
  • 最低賃金、ペナルティー手当、その他の手当を知りたい方へ、給与カルキュレイター(Pay Calculator)を提供しています。
  • 職種ごとに異なる最低賃金が定められています。参考までに21歳以上の従業員の場合、最低時給は$24.10、有給休暇のない人の場合$30.13です(2024年11月現在)。最低賃金とは賃金総額(税引き前の金額)を指します。雇用者は従業員の給与から税金を控除しなければなりません。https://www.fairwork.gov.au/language-help/japanese#pay
  • 勤務時間の管理に「レコード・マイ・アワーズ」アプリ(Record my hours app)を提供しています。
  • 給与明細書に記載されているべき事項を知りたい方、テンプレートを使用したい方は、「給与明細書」ページ(pay slip page)を参照してください 。
(2) 職場での問題が発生した場合、 Fair Work Ombudsmanは、問題を解決するため、以下の手順をとるよう助言しています。
   
もし、労働搾取の被害にあってしまった場合には、Fair Work Ombudsmanに違反を告発し、未払い分を請求することが可能です。実際に8,000ドル請求できた事例もあります。

職場の問題
https://www.fairwork.gov.au/language-help/japanese/issues-in-the-workplace

手続き方法は、1.マイアカウントページから問い合わせる、2.電話で報告することが可能です。

電話通訳が必要な方は、翻訳・通訳サービスTIS (Translating and Interpreting Service) National Contact Centre 131 450に連絡して、日本語で電話相談(無料)する日時を決めてください。 オペレーターに日本語と伝えて、Fair Work Ombudsmanの番号131 394に電話するよう依頼してください。

(3)危険を伴う労務環境 
 農場(ファーム)等で働く際、重機や可燃物を取り扱う業務に従事する場合があります。いずれも危険が伴い怪我をされた等の報告も散見されますので労働内容及び労働環境を事前に問い合わせ、確認してください。
農場の中には、合法な事業として登録を行っていないものもあり、労働災害保険(当地ではWork Safe)の対象とならないケースもあります。(1)と同様、必ず合法な契約書を取り交わしてから就業を始めるようにしてください。
詳しい案内は、査証(VISA)やTax File Numberの申請時に表示される、WorkSafeからの危機喚起内容を確認するか、WorkSafeのホームページで確認してください。
WorkSafe:https://www.worksafe.vic.gov.au/

3.翻訳通訳サービス
 英語を母国語としない方のために、豪州政府運営の24時間対応の通訳サービス「TIS (Translating and Interpreting Service)National Contact Centre」があります。以下の手順で、日本語通訳のサポートを得ることが可能です。病院、警察、公共交通機関、電話会社、不動産、旅行等あらゆる機会において通訳者が電話越しに対応してくれます。政府機関とのやり取りをする場合は、政府機関がその費用を支払います(一部の企業およびコミュニティサービスでも無料の通訳サービスを提供することもあります)。

(1)オーストラリア国内から 131450 に電話(オーストラリア国外からの場合+61 3 9268 8332)。
(2)英語のオペレーターが出るので、”Japanese、 Please”と伝える。
(3)通訳者に繋がったら、通話相手の組織名と電話番号を伝える(連絡先組織の営業時間内に電話する必要があります)。
(4)通訳者がその番号に連絡し、3者通話形式で通訳される。

医師による診察の際に通訳が必要な場合は、医師にDoctor's Priority Line(医師優先ライン)を使ってTIS National Contact Centreに電話通訳を手配するように頼んでください。必要であれば、医師が現場で通訳を手配することもできます。また、薬局でも電話通訳を使って医薬品について説明することができます。