総領事挨拶
令和7年7月18日
総領事からのメッセージ:人的交流の重要性

日豪関係は、今までにないレベルで関係を深めており、ローウィー研究所の2025年の調査でも、オーストラリア人にとって日本が最も信頼されている国となっている。また、日豪関係の基盤となる人的交流も大きく発展している。昨年だけで、人口2740万人のオーストラリアから日本への旅行者の数は、約92万人、今年は1月から6月までの半年間だけで、既に56万人を超えた。歴史上最大の数字である。為替レートも1つの要因かもしれないが、日豪間での友情と信頼が深まっていることこそが主たる背景であろう。
今年は、5年に一回開催されている万国博覧会が、10月まで日本の大阪市で開催され、国内外からの多くの来訪者で賑わっている。世界各国のパビリオンがある中で、私も4月に訪れたオーストラリア館は、オーストラリアの美しい自然や多様な古代文化、そして美味しい飲食が楽しめることもあって、中でも人気が高い。
万博開催地である大阪市は、1978年以来、メルボルン市の姉妹都市であり、市長の相互訪問を含めて活発な活動を続けている。日豪の間には、100を超える姉妹州・都市関係があり、メルボルン総領事館が所在するビクトリア州だけでも、18の姉妹関係がある。ビクトリア州と、名古屋がある愛知県の姉妹州関係は、今年、45周年を迎える。昨年10月に、ガードナー・ビクトリア州総督が日豪経済会議の機会を利用して、名古屋を訪れた。今年後半には、45周年に合わせて愛知県からの代表団によるビクトリア州訪問が検討されている。
多くの姉妹州・都市の間で、首長の相互訪問に加えて、ホームステイを含めた学生交流が盛んに行われている。姉妹都市関係の最初のきっかけが、往来を続ける姉妹校関係にある例も少なくない。私は昨年11月の着任以来、そうした交流の場に同席する機会もあり、あたたかな心と心のふれあいの場面に遭遇してきた。また、日本との間で姉妹都市関係のあるビクトリア州の多くの市長に会ったが、市庁舎の中に、日本の姉妹都市の名前を冠した部屋がある都市もあった。また、私が日本に一時帰国した際に訪れた日本側の姉妹都市の中には、ビクトリア州の姉妹都市のことを紹介する展示コーナーを設置しているところもあった。姉妹都市関係が、地元の人達の心に根付いていることが感じられた。
姉妹都市による人的交流はこれまで両国の草の根の相互理解に大きく貢献してきた。多くの学校レベルでの交流は、若者たちの異文化理解だけではなく、自国であるオーストラリアについての理解も深めてきたし、姉妹州・都市の関係を活用して、地元のビジネス団体を引き連れた貿易ミッションを派遣する例もある。姉妹州・都市関係は多様なメリットを双方にもたらす。これらの既存の姉妹州・都市関係をどう活用し、互いにとって更に意味のあるものにすべきかについて、長期的な視点を持って考えることが重要であろう。
日豪は、「特別な戦略的パートナー」であり、来年には、日豪友好基本条約締結50周年を迎える成熟した関係にある。また、政治、経済、文化等幅広い分野において更にその関係が強化されてきている。在メルボルン日本国総領事として、あらゆる分野において日豪関係を更に強固なものにしたいと考えて日々努力をしているが、その中でも、日本とオーストラリアの間の人の交流、ビジネス協力や学術交流を更に進め、また、姉妹都市関係を更に強化することは、業務の中の重要な柱になっている。それも、相手国を訪問し、或いは相手国からの人を受け入れ、自らの目で相手を知る草の根交流は、長期的な日豪友好関係の基盤となると確信しているからである。今後は、日豪のスタートアップ企業に対する支援を含めたビジネス関連の協力を更に強化することで、観光客のみならず、ビジネス関係者の往来も増やして行くことに繋げたいと考えている。オーストラリアの魅力を毎日メルボルンで感じている一日本人の立場からも、日豪間で人の交流がさらに進んでいき、両国の相互理解が深まることを期待している。
令和7年7月17日
在メルボルン日本国総領事
古谷徳郎
今年は、5年に一回開催されている万国博覧会が、10月まで日本の大阪市で開催され、国内外からの多くの来訪者で賑わっている。世界各国のパビリオンがある中で、私も4月に訪れたオーストラリア館は、オーストラリアの美しい自然や多様な古代文化、そして美味しい飲食が楽しめることもあって、中でも人気が高い。
万博開催地である大阪市は、1978年以来、メルボルン市の姉妹都市であり、市長の相互訪問を含めて活発な活動を続けている。日豪の間には、100を超える姉妹州・都市関係があり、メルボルン総領事館が所在するビクトリア州だけでも、18の姉妹関係がある。ビクトリア州と、名古屋がある愛知県の姉妹州関係は、今年、45周年を迎える。昨年10月に、ガードナー・ビクトリア州総督が日豪経済会議の機会を利用して、名古屋を訪れた。今年後半には、45周年に合わせて愛知県からの代表団によるビクトリア州訪問が検討されている。
多くの姉妹州・都市の間で、首長の相互訪問に加えて、ホームステイを含めた学生交流が盛んに行われている。姉妹都市関係の最初のきっかけが、往来を続ける姉妹校関係にある例も少なくない。私は昨年11月の着任以来、そうした交流の場に同席する機会もあり、あたたかな心と心のふれあいの場面に遭遇してきた。また、日本との間で姉妹都市関係のあるビクトリア州の多くの市長に会ったが、市庁舎の中に、日本の姉妹都市の名前を冠した部屋がある都市もあった。また、私が日本に一時帰国した際に訪れた日本側の姉妹都市の中には、ビクトリア州の姉妹都市のことを紹介する展示コーナーを設置しているところもあった。姉妹都市関係が、地元の人達の心に根付いていることが感じられた。
姉妹都市による人的交流はこれまで両国の草の根の相互理解に大きく貢献してきた。多くの学校レベルでの交流は、若者たちの異文化理解だけではなく、自国であるオーストラリアについての理解も深めてきたし、姉妹州・都市の関係を活用して、地元のビジネス団体を引き連れた貿易ミッションを派遣する例もある。姉妹州・都市関係は多様なメリットを双方にもたらす。これらの既存の姉妹州・都市関係をどう活用し、互いにとって更に意味のあるものにすべきかについて、長期的な視点を持って考えることが重要であろう。
日豪は、「特別な戦略的パートナー」であり、来年には、日豪友好基本条約締結50周年を迎える成熟した関係にある。また、政治、経済、文化等幅広い分野において更にその関係が強化されてきている。在メルボルン日本国総領事として、あらゆる分野において日豪関係を更に強固なものにしたいと考えて日々努力をしているが、その中でも、日本とオーストラリアの間の人の交流、ビジネス協力や学術交流を更に進め、また、姉妹都市関係を更に強化することは、業務の中の重要な柱になっている。それも、相手国を訪問し、或いは相手国からの人を受け入れ、自らの目で相手を知る草の根交流は、長期的な日豪友好関係の基盤となると確信しているからである。今後は、日豪のスタートアップ企業に対する支援を含めたビジネス関連の協力を更に強化することで、観光客のみならず、ビジネス関係者の往来も増やして行くことに繋げたいと考えている。オーストラリアの魅力を毎日メルボルンで感じている一日本人の立場からも、日豪間で人の交流がさらに進んでいき、両国の相互理解が深まることを期待している。
令和7年7月17日
在メルボルン日本国総領事
古谷徳郎