総領事挨拶

写真:田中敏己氏撮影
明けましておめでとうございます。
メルボルンに着任して1年8ヶ月。これまで管轄3州、北部準州、シドニー、キャンベラなど豪州各地で多様なオーストラリアの姿を見てきました。メルボルンのシンボルMCGの頭文字をとったMCG(M: Multiculturalism、C: Convenience、G: Generosity)の大切さを感じている今日この頃です。
昨年はくまモン訪豪を皮切りに、ジブリ音楽の久石譲氏とMSO(メルボルン交響楽団)の共演、立川志の輔師匠の高座など日本の文化・芸能の発信や、本田圭佑選手の豪州サッカーリーグ参戦など、スポーツを通じた交流が深まった1年でした。日豪関係では、安倍総理が旧日本軍の爆撃を受けたダーウィンを初めて訪問し、戦没者への追悼の意と平和への誓いを確認すると共に、日豪経済と防衛関係の協力につきモリソン首相と会談するなど、両国の絆も一層強化されました。
当館管轄3州と日本との関係では、昨年はメルボルン大阪市姉妹都市関係40周年を記念する大阪メルボルン間ヨットレースの開催や両姉妹都市代表団の相互訪問、SA州と岡山県の姉妹関係25周年を記念しての岡山県知事来訪など、多くの姉妹都市間で活発な交流がありました。本年は岩手県奥州市とグレーター・シェパトンが40周年、愛知県東海市とマセドン・レンジズが5周年を迎えると共に、昨年20周年を迎えた千葉県白井市とキャンパスピが豪州の習慣にならって21年目を祝う記念行事を行います。昨年の経済関係ではVIC州で日豪協同の世界初褐炭水素プロジェクト始動など新たな分野での協力関係も構築されました。
領事窓口の改善では、皆様からの要望がこれまで多かったものの法改正等の必要性から対応が困難であった手数料のキャッシュレス化や申請・届出のオンライン化につき、本省を中心に外務省デジタル・ガバメント中長期計画の中で検討されることになりました。また、FacebookやTwitter等のSNSを駆使し、安全情報や生活及びビジネスに役立つ情報発信にこれからも努めて参ります。皆様からのご意見・ご要望も引き続きお待ちしています。
今年は亥年。ボア(Boar)リングな年とならぬよう、日豪関係の更なる活性化に向け猪の如く真っ直ぐ全力で邁進する所存です。本年の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
在メルボルン日本国総領事
松永 一義(まつなが かずよし)
2019年1月