海外安全対策情報
平成29年10月31日
海外安全対策情報
(平成29年7~9月)

1 社会・治安情勢
治安は概ね良好。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
ビクトリア州警察の統計によれば,侵入・窃盗の数が多く,発生率は日本の10倍以上である。また,スリや置き引きなどの窃盗被害に加え,薬物使用・所持の犯罪も増加傾向にある。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 3,192件(前年比10.6%増)
危険人物 6,087件(同14.4%増)
薬物使用・所有 4,450件(同14.6%減)
(2)南オーストラリア州
比較的犯罪発生率は低く,安定しているが,暴行・傷害などの発生件数が依然として多いため,注意が必要。
<主な犯罪種別の内訳>
暴行・傷害 16,755件(前年比6%減)
強盗・恐喝・脅迫 519件(同17%減)
住居侵入 12,964件(同7%減)
窃盗 42,794件(同4%減)
(3)タスマニア州
比較的犯罪発生率は低く,安定しているが,観光地での車上荒らしなどの被害が報告されているため,車を駐車する際は荷物を置いたままにしない,持ち運べない荷物はトランクに入れて外部の目に触れないようにする等の注意が必要。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 93件(前年比30%減)
空き巣 1,1178件(同0.6%減)
自動車類盗難 1,425件(同4.9%減)
3 邦人被害事案
(1)一般犯罪
スリや置き引きの他,ワーキングホリデー中の邦人を狙った,職業斡旋名目の詐欺,シェアハウスのボンド(敷金)を巡るトラブル等が報告されているため注意が必要。。
(2)住み込み労働問題
主にワーキングホリデー中の邦人を狙って,無賃金で住居を提供する代わりに,ベビーシッター等の仕事を無報酬で行うといった無賃労働の形態が急増している。劣悪な労働条件で働かせたり,急に家を追い出され,路頭に迷うというケースが報告されているため,住み込み労働を行う際は,事前に労働条件を確認する,契約書のコピーを保管する等注意し,不審な点がある場合は,すぐに知人または相談機関などへ相談することが必要。
4 テロ・爆弾事件発生状況
豪州政府の国家テロ警戒システムでは,5段階中,現在は上から3番目の「起こりそうである(probable)」に設定されており,以前と変更はないものの,従来以上に安全に注意し,海外安全情報及び報道等により,最新の治安情勢等の関連情報の入手に努めるとともに,改めて危機管理意識を持つよう努め,特にテロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設・公共交通機関,スポーツ施設,観光施設,デパート及び市場等)を訪れる際には,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる,落ち着いて警察官の指示に従うなど,安全確保に十分注意を払う必要がある。具体的な事案は以下のとおり。
(1)2017年6月,邦人が比較的多く住む地域であるブライトンのアパートメントホテルにて,人質事件が発生。犯人は銃を保持しており,ホテルの受付1名が殺害された。事件が発生した際,報道機関にこの事件はISISのためだと主張する電話があったことから,警察は本事件をテロ事件としている。
(2)2017年9月27日,親ISILのウェブサイトの動画内にフリンダース通り駅が含まれていた。また,30日に,フリンダース通り駅前にて,精神異常者による車両暴走事案が発生(テロとの関係はなし)
5 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人が関係する事案は発生していない。
6 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
一般的に対日感情は良好。現在までのところ,日本企業等の安全に対する脅威となり得る問題は認められていない。