海外安全対策情報
平成29年1月17日
海外安全対策情報
(平成28年10~12月)

1 社会・治安情勢
治安は概ね良好であるものの,メルボルンでは警察によるテロ未遂事件の摘発があり,注意が必要。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
2001年以降減少傾向であった犯罪発生件数は2010-2011年度に増加に転じ,その後も引き続き増加傾向が続いている。
ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2015年10月~2016年9月)によると,犯罪発生件数は,前年同時期と比較して11.6%増加しており,スリや置き引きなどの窃盗被害に加え,薬物使用・所持の犯罪も増加傾向にある。
<主な犯罪種別の内訳>
暴行 42,754件(前期比12.6%増)
強盗 3,063件(同21.5%増)
窃盗 186,636件(同17.5%増)
薬物使用・所有 30,368件(同1.7%増)
(2)南オーストラリア州
2000-2001年度以降,犯罪発生件数は減少傾向にあったが,2014-2015年度は増加に転じた。南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2015年12月~2016年11月)によると,犯罪発生件数は108,066件で,前年同時期と比較して3.0%増加となった。
<主な犯罪種別の内訳>
暴行・傷害 17,642件(前期比2%減)
性犯罪 1,887件(同6%減)
強盗・恐喝・脅迫 630件(同5%減)
住居侵入 14,205件(同8%増)
自動車・オートバイ盗 3,529件(11%増)
(3)タスマニア州
タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2015年10月-2016年11月)によれば,犯罪発生件数は24,752件で,前年同時期と比較して7.8%減少した。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 86件(前期比15.6%増)
空き巣 1,165件(同3%増)
自動車類盗難 1,196件(同7.9%減)
(4)邦人被害事案
メルボルン周辺では,置き引きや窃盗による被害が引き続き多数報告された他,ワーキングホリデー中の邦人を狙った詐欺も多く報告されている。また,インターネットやメールを使って個人情報を聞き出したり現金を騙し取る事案が多発しており,注意が必要。
(5)邦人以外の被害事案
特異事件の認知はない。
3 テロ・爆弾事件発生状況
12月23日,警察機関等が,クリスマスにメルボルン市内でテロを計画していたとして,7名の男女を逮捕した。7人は過激派組織「イスラム国」の影響を受けており,テロのターゲットはメルボルンの象徴とされる場所(フェデレーション広場,セントポールズ大聖堂,フリンダーズ・ストリート駅)だった。
豪州政府の国家テロ警戒システムでは,5段階中,現在は上から3番目の「起こりそうである(probable)」に設定されており,以前と変更はないものの,従来以上に安全に注意し,海外安全情報及び報道等により,最新の治安情勢等の関連情報の入手に努めるとともに,改めて危機管理意識を持つよう努め,特にテロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設・公共交通機関,スポーツ施設,観光施設,デパート及び市場等)を訪れる際には,不審な人物や状況を察知したら速やかにその場を離れる等,安全確保に十分注意を払う必要がある。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
特異な事件は認知していない。
5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
一般的に対日感情は良好。現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められていない。