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海外安全対策情報

平成28年1月8日

海外安全対策情報
(平成27年10~12月)

1 社会・治安情勢
 2015年11月,豪州政府は新たな国家テロ警戒システムを導入した。脅威レベルに変わりはないが,新システムにおける脅威レベルは5段階のうち上から3番目にあたる「起こりそうである(probable)」に設定された。


2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
  2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数は2010-2011会計年度に増加に転じ,その後も引き続き増加傾向が続いている。
  ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2014年10月~2015年9月)によると,犯罪発生件数は,前年同時期と比較して6.0%増加となる482,959件であり,恐喝・ストーカー行為・薬物犯罪等の増加が,総件数増加の要因となっている。

<主な犯罪種別の内訳>
 恐喝・ストーカー行為 12,104件(前期比9.4%増)  
 薬物犯罪       22,542件(同16.9%増)
 武器・爆発物犯罪  15,290件(同16.1%増)

(2)南オーストラリア州
  2000-2001年度以降,犯罪発生件数は減少傾向にあったが,2014-2015年度は増加に転じた。南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2014年12月~2015年11月)によれば,犯罪発生件数は105,071件で,前年同時期と比較して3.0%増加となった。暴行・傷害,性犯罪等は増加傾向にあり,注意を要する。

<主な犯罪種別の内訳>
強盗・恐喝・脅迫     665件(前期比15%減)
暴行・傷害        18,090件(同10%増)
性犯罪          2,006件(同3%増)
住居侵入         8,420件(同1%増)
自動車・オートバイ盗  3,255件(同3%減)

(3)タスマニア州
  犯罪発生件数は1997-1998年度以降減少傾向を示していたが,2013-2014年度は増加に転じている。 タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2014年8月-2015年7月)によれば,犯罪発生件数は27,374件で,前年同時期と比較して9.0%増加した。
  

<主な犯罪種別の内訳>
強盗               91件(前期比3%増)
空き巣            1,801件(同6%増)
自動車・オートバイ盗    1,430件(同1%減)

(4)邦人被害事案
  メルボルン周辺では,置き引きやスリによる被害が引き続き多数報告された。また,邦人女性より仕事の面接で面接官からのセクハラの被害にあったとの通報があった。
  
  

(5)邦人以外の被害事案
  特異事件の認知はなし。


3 テロ・爆弾事件発生状況
 上記1のとおり,2015年11月に豪州政府は新たな国家テロ警戒システムを導入した。新システムには(1)確実(certain)(2)予期される(expected)(3)起こりそうである(probable)(4)可能性がある(possible)(5)予期されない(not expected)の5段階があり,現在は(3)「起こりそうである(probable)」に設定されている。


4 誘拐・脅迫事件発生状況
  特異な事件は認知していない。


5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
  一般的に対日感情は良好であるが,我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する抗議活動は今後とも行われる可能性が高く,引き続き注意が必要である。
  現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められていない。