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海外安全対策情報

平成27年7月1日

海外安全対策情報
(平成27年4~6月)

1 社会・治安情勢
 豪州は客年9月12日に国内のテロ警戒レベルを「中位(Medium)」から「高位(high)」(4段階のうち上から2番目)に引き上げ,引き続き「高位」である。


2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
  2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数は2010-2011会計年度に増加に転じ,その後も引き続き増加傾向が続いている。
  ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2014年4月~2015年3月)によると,犯罪発生件数は,前年同時期と比較して1.3%増加となる458,027件であり,暴行・傷害,薬物犯罪等の増加が,総件数増加の要因となっている。

<主な犯罪種別の内訳>
 強盗           2,410件(前期比9.3%減)  
 性犯罪        11,936件(同11.7%増)
 暴行・傷害      68,167件(同2.8%増)
 薬物犯罪        27,442件(同14.3%増)

(2)南オーストラリア州
  2000-2001会計年度以降,犯罪発生件数は減少傾向にあり,治安状況は概ね良好であるが,暴行・傷害,性犯罪等増加傾向にあり,注意を要する。
 南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2014年5月~2015年4月)によれば,犯罪発生件数は105,769件で,前年同時期と比較してほぼ同じ数値であった。

<主な犯罪種別の内訳>
  強盗・恐喝・脅迫     732件(前期比6%減)
 暴行・傷害        17,623件(同13%増)
 性犯罪          2,013件(同13%増)
 住居侵入         8,121件(同7%減)
 自動車・オートバイ盗  3,305件(同7%減)

(3)タスマニア州
  犯罪発生件数は1997-1998年度以降減少傾向を示していたが,2013-2014会計年度は増加に転じている。 タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2014年5月-2015年4月)によれば,犯罪発生件数は26,772件で,前年同時期と比較して9.4%増加している。
  

<主な犯罪種別の内訳>
強盗               82件(前期比24%減)
 空き巣            1,792件(同14%増)
 自動車・オートバイ盗    1,372件(同2.6%増)
 薬物犯罪           2,080件(同1.5%減)

(4)邦人被害事案
  メルボルン市内を中心に置き引き・スリの被害が発生している。メルボルンセントラル駅前のトラム停留所ベンチで,邦人女性が友人に鞄を預けてトイレに行っている間,友人が眠ってしまい,友人の鞄も一緒に盗まれた被害が発生している。持ち物から目を離さないよう注意が必要である。
  
  

(5)邦人以外の被害事案
  特異事件の認知はなし。


3 テロ・爆弾事件発生状況
 (1)上記1.のとおり,オーストラリア警察は客年9月12日に国内のテロ警戒レベルを①Low,②Medium,③High,④Extremeの4段階のうち②Mediumから③High(テロ攻撃の可能性が高い(Likely))に引き上げた。
 (2)4月18日未明,AFP(豪州連邦警察)及びビクトリア州警察が,アンザック記念セレモニー式典をターゲットとしてテロを計画した疑いで15-19歳の5人の若者を逮捕。また,5月18日未明,17歳の少年がテロ計画を企てていたとしてAFP及びビクトリア州警察が家宅捜索により摘発。


4 誘拐・脅迫事件発生状況
  特異な事件は認知していない。


5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
  一般的に対日感情は良好であるが,我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する抗議活動は今後とも行われる可能性が高く,引き続き注意が必要である。
  現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められていない。