海外安全対策情報
平成27年1月20日
海外安全対策情報
(平成26年10~12月)

1 社会・治安情勢
豪州は客年9月12日に国内のテロ警戒レベルを「中位(Medium)」から「高位(high)」(4段階のうち上から2番目)に引き上げた。
12月には,シドニー中心部で,2名の人質が犠牲となる立てこもり事案が発生しており,当地においても引き続き安全に十分注意することが必要である。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数は2010-2011会計年度に増加に転じ,その後も引き続き増加傾向が続いている。
ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2013年10月-2014年9月)によると,犯罪発生総件数は,前年の同時期と比較して5.3%増加となる442,203件であり,主に薬物犯罪,暴行・傷害,自動車・オートバイ窃盗の増加が,総件数増加の要因となっている。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 2,543件(前期比7.5%減)
暴行・傷害 47,066件(同1.7%増)
空き巣 28,514件(同0.4%減)
自動車・オートバイ盗 17,090件(同19%増)
薬物犯罪 25,590件(同16.6%増)
(2)南オーストラリア州
2000-2001会計年度以降,犯罪発生件数は,ほぼ一貫して減少傾向にあり,治安状況は概ね良好であるが,人口比で比較すると,強盗,暴行・傷害,空き巣の発生率が他州と比較して高い傾向にあり,注意を要する。
南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2013年12-2014年11月)によると,犯罪発生件数は104.882件で,前年同時期と比較して4%減少した。主な犯罪は減少傾向にあるが,性犯罪は増加傾向にある。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗・恐喝・脅迫 788件(前期比6%減)
暴行・傷害 16,497件(同2%増)
性犯罪 1,944件(同11%増)
住居侵入 8,355件(同12%減)
自動車・オートバイ盗 3,379件(同8%減)
(3)タスマニア州
犯罪発生件数は1997-1998年度以降,ほぼ一貫して減少傾向であったが,2013-2014会計年度は増加に転じている。タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2013年12-2014年11月)によると,犯罪発生総件数は26,179件で,前年同時期と比較して11.7%増加している。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 81件(前期比36.7%減)
空き巣 1,685件(同8.4%増)
自動車・オートバイ盗 1,229件(同7.2%増)
薬物犯罪 1,059件(同3.2%増)
(4)邦人被害事案
すりや置き引きの被害が発生しており,観光客が多く集まる地域の飲食店内,空港へのバス停留所,図書館などで,手荷物から目を離した隙に鞄や財布等を窃取される事件が起きている。
また,客年11月の夜,邦人男性が一人でメルボルン市スワンストン通りを歩行中に,2人の男に囲まれ「財布はないか?」とパンチを受け,財布とパスポートを窃取されるという事案が発生。昼間はにぎやかな大通りでも夜間の一人歩きは細心の注意が必要である。
(5)邦人以外の被害事案
特異事件の認知はなし。
3 テロ・爆弾事件発生状況
上記1.のとおり,オーストラリア警察は客年9月12日に国内のテロ警戒レベルを①Low,②Medium,③High,④Extremeの4段階のうち②Mediumから③High(テロ攻撃の可能性が高い(Likely))に引き上げた。客年9月23日にはメルボルン郊外の警察署前で18歳の少年がナイフで警察官2名を襲いその場で射殺される事件が発生した。引き続き安全に十分注意することが必要である。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人の被害,その他特異な事件は認知していない。
5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
一般的に対日感情は良好であるが,我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する抗議行動は今後とも行われる可能性が高く,注意が必要である。
現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められていない。