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海外安全対策情報

平成26年7月4日

海外安全対策情報
(平成26年4~6月)

1 社会・治安情勢
   概ね良好であり,特筆すべき社会・治安情勢はなし。


2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
  治安状況は概ね良好であるが,2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数は2010-2011会計年度に増加に転じて以降,引き続き増加傾向が続いている。
  ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2013年4月1日~2014年3月31日)によれば,犯罪発生総件数は,前年の同時期と比較して7.1%増加となる434,497件であり,主に薬物犯罪,暴行・傷害事件の発生件数の大幅増加が,総件数増加の要因となっている。

<主な犯罪種別の内訳>
強盗           2,647件(前期比11%減)  
 暴行・傷害       47,024件(同2.3%増)
 空き巣         28,423件(同3.3%減)
 自動車・オートバイ盗 15,675件(同0.7%減)
 薬物犯罪        23,973件(同17.8%増)

(2)南オーストラリア州
  2000-2001会計年度以降,犯罪発生総数は,ほぼ一環して減少傾向にあり,治安状況は概ね良好であるが,人口比で比較すると,強盗,暴行・傷害,空き巣等の発生率が他州と比較して高い傾向にあり,注意を要する。
  南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2013年5月1日~2014年4月30日)によれば,犯罪発生件数は105,650件で,前年同時期と比較して6%減少し,主な犯罪は減少傾向にあるが,性犯罪に関しては増加傾向にあり,特に,夜間外出時には十分に注意が必要である。

<主な犯罪種別の内訳>
強盗            779件(前期比21%減)
 暴行・傷害       15,649件(同3%減)
 性犯罪          1,793件(同9%増)
 住居侵入         8,763件(同15%減)
 自動車・オートバイ盗  3,517件(同15%減)

(3)タスマニア州
  犯罪発生件数は1997-1998年度以降,ほぼ一貫して減少傾向にあり,治安状況は良好であるが,自宅の施錠や深夜の一人歩きを避けるなど,一般的な防犯に心掛ける必要がある。
  タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2013年5月1日~2014年4月30日)によれば,犯罪発生総件数は24,460件で,前年同時期と比較して3.4%増加した。

<主な犯罪種別の内訳>
強盗              108件(前期比15.6%減)
 空き巣           1,569件(同3.7%減)
 自動車・オートバイ盗   1,215件(同6.5%増)
 薬物犯罪          2,118件(同7.5%減)

(4)邦人被害事案
  メルボルン市内を中心に,すりや置き引き被害が続発している。特に,スワンストン通り等の観光客が多く集まる地域において,飲食店内,空港へのバス停留所,図書館などで,手荷物から目を離した隙に鞄や財布を窃取される事件が相次いでいる。
  人で混み合う公共交通機関内や店内などでは,背負っていたリュックサックから財布をすり盗られる被害も複数報告されている。
  また,5月の夜間,邦人女性が一人でシティ付近のリッチモンドを歩行中,オーストラリア人らしき3,4人組のうち一人からすれちがい際に暴行を受ける傷害事件が発生。
  夜間の一人歩き等外出は特に細心の注意が必要である。

(5)邦人以外の被害事案
  特異事件の認知はなし。


3 テロ・爆弾事件発生状況
  豪州政府の現在のテロ警戒レベル(Alert Level)は,①Low、②Medium、③High、④Extremeの4段階のうち②Medium(テロ攻撃が発生する可能性がある)であるが,過去にはメルボルンでもテロ未遂事件が複数検挙されている。2012年9月にも,メルボルンのイスラム教関連施設等に対する警察の捜索により,関係者1名が逮捕され,爆発物の製造方法が記された資料,複数の銃器等が押収されており,テロに対する一般的な警戒は必要である。


4 誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人の被害,その他特異な事件は認知していない。


5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
  一般的に対日感情は良好であるが,我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する抗議行動は盛んであり,今後とも,当地でも抗議行動が行われる可能性が高い。
  現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められないが,当地では環境問題,労働争議等に関する抗議行動が盛んに行われており,動向に注意を要する。