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海外安全対策情報

平成25年07月01日

海外安全対策情報
平成25年度第1四半期(平成25年4~6月)


1 社会・治安情勢
 ビクトリア州において,主要バイク・ギャング間の対立抗争のおそれがあり,一般市民に被害が及びかねないとして,同州警察が取締りを強化しているが,現在までのところ,銃撃事件等の増加は認められない。


2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
 治安状況は概ね良好であるが,2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数は2010-2011会計年度に増加に転じ,その後は増加傾向が続いている。
 ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2012年4月1日~2013年3月31日)によれば,犯罪発生総件数は,前年の同時期と比較して5.6%の増加となる403,618件であり,暴行・傷害事件,薬物事案の増加が顕著である。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗         2,969件(前期比12.8%減)   
暴行・傷害      45,971件(同13.8%増)
空き巣           29,427件(同2.9%増)
自動車・オートバイ盗 15,592件(同4.3%増)
薬物犯罪       20,270件(同14.6%増)

(2)南オーストラリア州
 2000-2001会計年度以降,犯罪発生総数は,ほぼ一環して減少傾向にあり,治安状況は概ね良好であるが,人口比で比較すると,依然として当館管轄3州では,強盗,暴行・傷害,空き巣等の発生率が最も高くなっており,注意を要する。
 南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2012年6月1日~2013年5月31日)によれば,犯罪発生件数は111,724件で,前年同時期と比較して6%減少した。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗           974件(前期比5%減)
暴行・傷害      16,135件(同2%減)
性犯罪        1,642件(同増減なし)
建造物侵入      16,064件(同5%減)
自動車・オートバイ盗  4,092件(同11%減)

(3)タスマニア州
 犯罪発生件数は1997-1998年度以降,ほぼ一貫して減少傾向にあり,治安状況は良好であるが,自宅の施錠や深夜の一人歩きを避けるなど,一般的な防犯に心がける必要がある。また,少年犯罪の発生率が豪州国内で二番目に高くなっており,注意を要する。
 タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2012年6月1日~2013年5月31日)によれば,犯罪発生総件数は21,447件で,前年同時期と比較して4.2%減少した。
<主な犯罪種別の内訳>
暴行・傷害(公共場所)  748件(前期比15%減)
強盗          118件(同4%増)
空き巣        1,446件(同5%減)
自動車・オートバイ盗 1,056件(同20%減)
薬物犯罪       2,436件(同4%減)

(4)邦人被害事案
 メルボルン市内を中心に,すりや置き引き被害が続発している。市内のスワンストン通り等の観光客が多く集まる地域において,飲食店内,空港へのバス停留所,図書館などで,手荷物から目を離した隙に鞄や財布を窃取される事件が相次いだ。
 人で混み合う公共交通機関内や店内などでは,背負っていたリュックサックから財布をすり盗られる被害も報告されている。

(5)邦人以外の被害事案
 特異事件の認知はなし。


3 テロ・爆弾事件発生状況
 豪州政府の現在のテロ警戒レベル(Alert Level)は,①Low、②Medium、③High、④Extremeの4段階のうち②Medium(テロ攻撃が発生する可能性がある)であるが,過去にはメルボルンでもテロ未遂事件が検挙されており,昨年9月にも,メルボルンのイスラム教関連施設等に対する警察の捜索により関係者1名が逮捕され,爆発物の製造方法が記された資料,複数の銃器等が押収されており,テロに対する警戒は必要である。


4 誘拐・脅迫事件発生状況
 邦人の被害,その他特異な事件は認知していない。


5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
 総体的に対日感情は良好であるが,我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する抗議行動が盛んな土地柄であり,今般の国際司法裁判所における我が国調査捕鯨に対する豪州の提訴に伴い,今後,当地でも抗議行動が行われる可能性がある。
 現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められないが,当地では環境問題,労働争議等に関する抗議行動が盛んに行われており,動向に注意を要する。