海外安全対策情報
平成25年04月09日
海外安全対策情報
平成24年度第4四半期(平成25年1~3月)
1 社会・治安情勢
ビクトリア州において,バイク・ギャング間の抗争のおそれが高まり,一般市民に被 害が及びかねないとして,同州警察が取締りを強化している。同州警察では従前から捜 査を行ってきたタスクフォース・エコーに加えて,抗争抑止のためオペレーション・リ サウンドを立ち上げ,先制的に関係各所の捜索,関係者の逮捕などを行っており,現在 までのところ,目立った銃撃事件等の増加は認められない。
2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)ビクトリア州
治安状況は概ね良好であるが,2001年以降一貫して減少傾向であった犯罪発生総件数が2010-2011会計年度に増加に転じ,それ以降,増加傾向となっている。
ビクトリア州警察の最新の犯罪統計(2012年1月~12月)によると,犯罪発生総件数は,前年の同時期と比較して,9.5%の大幅増加となる406,643件であった。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 3,147件(前期比7.5%減)
暴行・傷害 45,262件(同17.2%増)
空き巣 29,825件(同6.8%増)
自動車・オートバイ盗 16,139件(同10.8%増)
薬物犯罪 20,104件(同19.1%増)
(2)南オーストラリア州
2000-2001会計年度以降,犯罪発生総数は,ほぼ一環して減少傾向にあり,治安状況は概ね良好であるが,人口比で比較すると,当館管轄3州では,強盗,暴行・傷害, 空き巣の発生率が最も高くなっており,注意を要する。
南オーストラリア州警察の最新の犯罪統計(2012年3月~2013年2月)によれば,犯罪発生件数は112,760件で,前年同時期と比較して7%減少した。
<主な犯罪種別の内訳>
強盗 1,604件(前期比4%減)
暴行・傷害 15,858件(同6%減)
性犯罪 1,604件(同増減なし)
住居侵入 16,485件(同2%減)
自動車・オートバイ盗 4,240件(同9%減)
(3)タスマニア州
犯罪発生件数は1997-1998年度以降,ほぼ一貫して減少傾向にあり,治安状況は良好であるが,自宅の施錠や深夜の一人歩きを避けるなど,一般的な防犯に心がける必要がある。また,少年犯罪の発生率が豪州国内で二番目に高くなっており,注意を要する。
タスマニア州警察の最新の犯罪統計(2012年3月~2013年2月)によれば,犯罪発生総件数は15,364件で,前年同時期と比較して6.7%減少した。
<主な犯罪種別の内訳>
暴行・傷害(公共場所) 534件(前期比20%減)
強盗 88件(同11%増)
空き巣 988件(同7%減)
自動車・オートバイ盗 802件(同20%減)
(4)邦人被害事案
夏季の観光シーズン期間中,郊外の観光地やキャンプ場の駐車場において,駐車中 の車内から金品を窃取される車上ねらい事件が続発した。
メルボルン市内で,路上で声をかけられた東南アジア系男性に頼まれて高額現金を 貸したところ,その後連絡が取れなくなり,詐取されるという詐欺事件が発生した。 本件については過去にも類似事案が発生している。
(5)邦人以外の被害事案
特異事件の認知はなし。
3 テロ・爆弾事件発生状況
豪州政府の現在のテロ警戒レベル(Alert Level)は,①Low,②Medium,③High,④
Extremeの4段階のうち②Medium(テロ攻撃が発生する可能性がある)であるが,過去にはメルボルンでもテロ未遂事件が検挙されており,昨年9月にも,メルボルンのイスラム教関連施設等に対する警察の捜索により,関係者1名が逮捕され,爆発物の製造方法が記された資料,複数の銃器等が押収されており,テロに対する一般的な警戒は必要である。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人の被害,その他特異な事件は認知していない。
5 在留邦人,日本企業の安全に関わる諸問題
我が国の調査捕鯨及びイルカ漁に対する否定的な報道はあるが,総体的に対日感情は 良好である。
現在までのところ,日本企業の安全に対する脅威となり得る問題は認められないが,
当地では環境問題等に関する抗議行動が盛んに行われており,動向に注意を要する。