インターネットを利用したアパート賃貸詐欺 / 強盗・傷害事件の発生(アデレード)/ 書類等のサイン
総領事館からのお知らせ(4月号)
平成21年3月20日
在メルボルン総領事館
1.インターネットを利用したアパート賃貸詐欺
インターネットを利用した、アパート賃貸詐欺の被害が発生しています。
本年1月にも当館からお知らせした「インターネットを利用したアパート賃貸詐欺の被害」について、メルボルンに滞在中の女性から被害の報告がありました。手口は、前回お知らせした内容と同一の手口です。
主な手口は、ウェブ・サイトでシティ内のアパートを手ごろな価格で貸し出す広告を掲載し、家主は海外に住むオーストラリア人だと称して、オンライン上で契約の申し込みを受けます。家主は、海外の家主の銀行口座やマネー・トランスファーを利用して家賃等を振り込むように指示します。送金が確認された後、何等かの方法で部屋の鍵を借主に引き渡すなどと約束するのですが、送金後、部屋の鍵を受け取る前に家主と連絡が取れなくなり、契約した物件を確認したところ、番地がなかったり、物件の住所にはアパートが建っていなかったり、部屋は別の人の所有だったりし、騙されたことに気が付きます。
今回の被害の状況は、次のとおりです。家主は夫と一緒にロンドンに住んでおり、賃借料をマネー・トランスファーでロンドンに送金するとともに借主の卒業証明書、運転免許証、パスポートをスキャンして、家主に送るように借主に要求してきました。部屋の鍵はメルボルンの宅配業者に預けてあるので、送金を確認したら、鍵の預け入れIDとナンバーを連絡する旨の返事でした。借主は賃借料を送金したのですが、家主と連絡が取れなくなり、騙されたことに気が付いたものです。
インターネットを利用したアパート、特に好条件の物件には十分に注意をして下さい。物件の下見ができないような場合は、詐欺の可能性もあるので、契約は慎重に行って下さい。少しでも疑問や不安がある場合は、契約の申し込みは控えた方が無難です。
2.強盗・傷害事件の発生(アデレード)
3月上旬、アデレード在住の邦人男性から強盗被害に遭った報告がありました。
男性は、ワーキング・ホリデーを利用して、アデレードに滞在中でした。日曜日の午後4時半ころ、アデレード市内のボタニック・ガーデン内で、横になって読書をしていたところ、二人組みの白人男性にいきなり後頭部を殴られて、パスポートや財布などが入った鞄を奪い取られたものです。男性は、頭部から出血し、入院には至らなかったものの救急車で病院に搬送されて治療を受けることになりました。
男性のケースは、日曜日の日中の出来事で、公園でくつろいでいるところを襲われたものです。この様なケースでは、被害を予防するのは難しいように思えますが、一見のどかな状況でも油断をせず、周囲の状況に常に気を配る、日中でも人気のない場所はできるだけ避ける、襲われたら身体の安全を第一に考え無理に抵抗しないなどを心掛けてください。
今回の被害の状況は、次のとおりです。家主は夫と一緒にロンドンに住んでおり、賃借料をマネー・トランスファーでロンドンに送金するとともに借主の卒業証明書、運転免許証、パスポートをスキャンして、家主に送るように借主に要求してきました。部屋の鍵はメルボルンの宅配業者に預けてあるので、送金を確認したら、鍵の預け入れIDとナンバーを連絡する旨の返事でした。借主は賃借料を送金したのですが、家主と連絡が取れなくなり、騙されたことに気が付いたものです。
3.書類等のサイン
日本では、各種契約、公的な届出等の書面に関して、その書面が真正に作成されたことを証明するためにサイン(署名)をして印鑑を押すケースが殆どです。また、サインの真実性を担保するために印鑑登録をした印鑑(実印)を使用する場合も多くあります。一方、海外では、重要なものを含め契約や公的な届出には、書面に自分のサインをして、その書面の内容が真正であること等を証明します。
日本人は、長く印鑑の慣習に慣れていることから、時としてサインの重要性を軽視しがちですが、海外では、サインは日本のサインと実印の効果を合わせ持ったもので、法的に非常に重要なものです。ですから、夫婦間、親子間を含め、その本人になりすましてサインをするということのないようにしてください。
日本でも、各種契約や公的な届出の書面に他人を装いサインをし、書面を作成することは、文書の偽造に当り犯罪行為になります。当然、海外でも犯罪行為に該当します。また、偽造されたサインであることを知りながら、その書面を行使することも罪になります。前述のとおりサインのもつ信頼性、法的効力は非常に高く、安易な気持ちで他人を装ってサインをし、或いは偽造されたサインの書面を行使した場合、罪に問われ重大な結果を招くことになりかねません。