Japanese | English

インターネットを利用したアパート賃貸詐欺・「419詐欺事件」

総領事館からのお知らせ(1月号)

平成20年12月18日

在メルボルン総領事館

1. インターネットを利用したアパート賃貸詐欺

 最近、留学生や短期滞在者を狙ったインターネットによる、アパート賃貸詐欺の被害が発生しています。

 手口は、ウェブ・サイトでシティ内のアパートを手ごろな価格で貸し出す広告を掲載し、家主は海外に住むオーストラリア人だと称して、オンライン上で契約の申し込みを受けます。部屋の鍵を申込者に送る前に、海外の家主の銀行口座やマネー・トランスファーを利用し家賃等を振り込むように指示します。その後、部屋の鍵がいっこうに送られて来ないことから、契約した物件を確認したところ、番地がなかったり、物件の住所にはアパートが建っていなかったりし、騙されたことに気が付きます。

 インターネットを利用したアパート、特に好条件の物件には十分に注意して下さい。また、物件の下見ができないような場合は、詐欺の可能性もあるので、契約は慎重に行って下さい。少しでも疑問や不安がある場合は、契約の申し込みは控えた方が無難です。

2. 「419詐欺事件」

 「419詐欺事件」とは、架空の商談等を口実にして前渡し金や商品を騙し取る国際的詐欺のひとつで、80年代にアフリカ西部のナイジェリアを中心に広がりをみせた手口です。ナイジェリア刑法で詐欺罪を規定している419条に抵触する犯罪のため、このように呼ばれています。主な発信源は、西アフリカ諸国を中心としたアフリカ地域、東南アジア諸国などのアジア地域が多いようです。

 犯人側からのアプローチの方法は、手紙やFAXによるものから、最近は電子メールを利用した犯行が主流となっている他、手口としては、

 * 金の取引を装った金取引型
  * ある外国人が莫大な遺産を残して死亡し、その遺産が金塊等の形で警備会社に保管されており、それを凍結解除できるので協力して欲しいと話を持ちかける金保管型
  * メールで高額のくじに当選したなどと言い送金手続き料名目で、お金を振り込ませるインターネット宝くじ型
  * 秘密資金のマネーロンダリングのため銀行口座を貸して欲しいなどともちかけるマネーロンダリング型
  * 大量の商品を発注し騙し取ったり、大型の商談をもちかけ印紙代等の資金が必要だなどと言い指定口座にお金を振り込ませる貿易取引型
  * 商談を装い小型の高額商品のサンプルの送付を要求し騙し取るサンプル詐欺
  * 遺産相続話を持ち掛け手数料や税金名目で資金を振り込ませる遺産相続型
  * 黒く塗りつぶされた大量の米ドル紙幣を見せ金として、それに特殊な液体をかけて塗料を落とし、洗浄液を購入するための資金として前渡し金を口座に振り込ませる黒紙幣(ブラック・マネー)型、

    などさまざまな手口があります。

 最近では、南アフリカ共和国のヨハネスブルクに出張中の邦人男性が、同地に到着後、誘拐・監禁され身代金を要求される事件が発生しました(その後、同人は無事解放されました。)。この事件は、商談を口実に被害者をヨハネスブルクに呼び出した上、誘拐・監禁し、身代金を要求した事件でした。手口からして「419詐欺事件」が誘拐・監禁に至ったケースである可能性が高いと思われます。また、この種の被害を防止するためには以下の点に注意して下さい。

  ・ 訪問前に弁護士等に問い合わせるなどして、商談相手の信頼度を確認する。
  ・ 面談は自社、信頼できる関連会社、人目のあるホテル等で行う。
  ・ 商談相手の素性が知れない場合は、相手の指定する場所に赴くことや相手の車に同乗しない。
  ・ 監禁された際に、クレジット・カードの情報を教えるように強要されることがあるが、この場合、誤った情報を伝えると危害を加えられる恐れがあることから、ありのまま正確に伝える。

   【参考ウェブ・サイト】
  ・ 外務省海外安全ホームページ、最新スポット情報「南アフリカ共和国:邦人男性誘拐・監禁事件の発生に伴う注意喚起(2008/10/10)」
  ・ 外務省海外安全ホームページ、海外邦人事件簿Vol.470「おいしいメールと国際詐欺」
  ・ 日本貿易振興機構(JETROジェトロ)、「国際的詐欺事件について(注意喚起)」