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テロ容疑者の有罪評決(ビクトリア州) / 車上荒らしに注意〜カーナビゲーションの盗難が急増(ビクトリア州)

総領事館からのお知らせ(10月号)

平成20年10月9日

在メルボルン総領事館

1.テロ容疑事件の有罪評決(ビクトリア州)

 新聞報道等によると、9月15日・16日、ビクトリア州高等裁判所において、12名の被告人に対しテロ容疑裁判の陪審結果が下されました。首謀者とされる被告人に対してはテロ組織を指揮した罪、テロ組織と知りながらその構成員となった罪、テロ行為を準備するための情報が記録されているコンパクト・ディスクを所持していた罪について有罪、その他の者については、6名がテロ組織と知りながらその構成員となった罪、テロ行為を準備するための情報が記録されているコンパクト・ディスクを所持していた罪、資金提供の罪等の何れかの罪で有罪、4名が無罪の評決がなされ、1名が審理のやり直しとなったものです。

 この事件は、2004年から2005年にかけて、豪州連邦警察(AFP:Australian Federal Police)、豪州安全情報機構(ASIO:Australian Security Intelligence Organisation)、ビクトリア州警察が合同で、ペンデニス作戦(Operation Pendennis)として、メルボルンを拠点とするイスラム過激派12名をテロ容疑で摘発したものです(同作戦では、シドニーでも別のイスラム過激派グループのメンバーをテロ容疑で摘発し、現在、裁判中)。

 裁判では、合同捜査班によるグループ・メンバーに対する電話傍受、秘匿監視捜査、グループ内への捜査官の潜入により収集された情報などが証拠として提出されたもので、検察当局によると首謀者とそのグループのメンバーは、豪州政府に対しイラクに派遣されている豪州軍を撤収させるせる目的で、聖戦(Jihad)として建物の破壊や多くの人を狙った自爆テロを含む爆弾テロを計画していたとされています。

 マクレランド司法長官は、今回の有罪の評決について、今後のテロの抑止効果をあげるとともに、オーストラリアにおいてもテロ攻撃の可能性の存在は明らかであり、それ故にテロ警戒レベルがミディアム(Medium)・レベルなのであると述べています。

 ※ 豪州政府によるテロ警戒レベル(National Counter-Terrorism Alert):
(1)Low、(2)Medium、(3)High、(4)Extremeの4段階あり、10月9日現在、Medium(テロ攻撃の発生の可能性がある)。

 

2. 車上荒しに注意 〜 カーナビゲーションの盗難が急増 (ビクトリア州)

 車上荒し被害、特にカーナビゲーションの盗難被害が急増していることから注意をして下さい。

 ビクトリア州警察の統計によると、州全体の犯罪が減少する中(前年度比-0.4%)、車上荒し被害に関しては、2007年7月1日から2008年6月30日までの間(2007/2008)の発生件数が52,178件であり、前年度の2006年7月1日から2007年6月30日までの間(2006/2007)の発生件数46,482件と比べ12.3%の増加で、総犯罪発生件数の約14%を占めています。中でもカーナビゲーションの盗難被害は、2006/2007の1,632件から2007/2008の6,787件と急増しており、平均すると1日に約19件の被害が発生している状況です。

 カーナビゲーションの盗難被害の増加原因は、カーナビゲーションが高価なこと、盗んだ後、売却するのが容易なことなどがあげられます。

 車を運転する方は、車から離れる際、カーナビゲーションは車外から視野に入らないように取り外すことをお勧めします。狙われる場所としては、不特定多数の人が出入りする駅などの公共交通機関の駐車場が多いようです。
 カーナビゲーションの他に携帯電話や小型の電化製品の盗難も多く、車を離れる際は、これらの物は携帯するか車外から視界に入らないようにすることが大切です。
 また、車上荒し被害は、物品を盗まれる他に窓ガラスを割られたり、鍵穴を壊されたりするケースがほとんどで、その修理にも費用を要することから二重の被害を受けることにもなります。