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ビクトリア州における犯罪発生状況

総領事館からのお知らせ(10月号)

平成20年9月10日

ビクトリア州の犯罪発生状況

在メルボルン総領事館

 8月18日付でビクトリア州警察が発表した、ビクトリア州における2007年7月1日から2008年6月30日までの間(2007/2008)における犯罪発生統計に関して、その概要は次のとおりです。

1. 州下の状況

 全般的には、2007/2008における人口10万人あたりの犯罪発生率(犯罪率)は前年度比1.9%減であり、2007/2008中の犯罪発生件数は前年比0.4%減であった。 2000/2001と比べると、犯罪率は24.5%、総発生件数は17.0%減少した。

2. 身体犯(殺人、強姦、性的暴力、強盗、暴行、誘拐)

 身体犯は、総数が42,947件であり、犯罪率は前年比0.2%減であったが、発生件数は前年度比1.4%増加した。

 殺人は、発生件数が169件で前年度の197件と比べて14.2%減少し、犯罪率は15.6%減であった。

 強姦は、1,562件発生し件数は前年度比8.1%減少し、犯罪率は9.6%減少した。事案の77.5%は、犯人が被害者と面識があった。

 わいせつ事犯(強制わいせつ、痴漢、公然わいせつ等強姦以外の性的犯罪)は、発生件数が6,263件で前年度の6,210件と比べ0.9%増加したが、犯罪率は前年度と比べ0.7%減少した。

 強盗は、発生件数が前年度の2,880件から3,332件、率で15.7%増加した。犯罪率は前年度比13.9%増となった。これは主として凶器を伴わない強盗の増加(24.6%増)によるものである。また、殆どが男性被疑者によるもので(90.1%)、18歳以下の男性被害者が前年度比26.6%増加し、18歳以下の男性被疑者が前年度比46.3%増加した。

 粗暴犯(故意・過失による傷害、脅迫、暴行、警察官に対する暴行、凶器を用いた暴行等)は、犯罪率で0.8%減少したが、発生件数は昨年度よりも232件増加した。このうちの135件が家庭内暴力であった。家庭内暴力以外の粗暴犯は、犯罪率で1.2%減少した。

3. 財産犯(放火、器物損壊、加重窃盗、住居侵入窃盗、詐欺、万引き・置引き、車上ねらい、自動車盗、自転車盗等)

  2007/2008における財産犯は、281,134件であり、総数で前年度比0.4%の減少であった。また、犯罪率は前年度と比べると2.0%の減少で、人口10万人あたりの発生件数にすると5,468.0件から5,358.9件に減少した。単純窃盗(theft)は、145,179件であった。

 車上ねらいは、52,178件で、前年度比12.3%増であった。自動車盗は、発生件数が前年度比0.1%の増加で、2000/2001から初めての増加となった。なお、自動車盗の犯罪率は、前年度比1.5%の減少であった。2002年3月の車両監視対策(Operation Vehicle Watch)導入以来、制度導入時と比較して自動車盗は52.2%の減少で半減した。

4.薬物犯罪

 2007/2008における薬物犯罪は14,204件であり、2006/2007と比べ2.5%減少した。今年度、所持・使用が1.8%増加し、栽培・製造・取引が11.5%減少した。

主な犯罪の発生比較

2006/2007 2007/2008 増減率 2000/2001 増減 2007/2008 犯罪率 日本における2007年の犯罪率
殺人 197 169 -14.2% -26.1% 3.2 0.9
強盗 2,880 3,332 -15.7% -30.1% 63.5 3.6
住居侵入盗 29,551 28,817 -2.5% -47.0% 549.3 137.5
自動車盗 17,998 18,008 0.1% -61.3% 343.3 24.9
車上ねらい 46,482 52,178 12.3% -25.8% 994.6 131.6
わいせつ事犯 6,210 6,263 0.9% -11.2% 119.4 8.4
粗暴犯 31,052 31,284 0.7% 32.0% 596.3 25.0
強姦 1,700 1,562 -8.1% 14.3% 29.8 1.4
薬物犯罪 14,566 14,204 -2.5% -9.9% 270.8 16.7

※ 「日本における2007の犯罪率」については、警察庁平成20年警察白書・犯罪統計、警察庁・平成19年犯罪統計資料(平成19年1〜12月)確定値に基づき当館で独自に算出したもので、罪種の区分等において必ずしも豪州の犯罪統計に合致するものではなく、あくまでも参考値である。また、このうち粗暴犯については暴行のみ、わいせつ事犯については強制わいせつ・公然わいせつのみの、薬物事犯については薬物事犯全検挙件数をもとに算出した。